【元飼育員が解説】ウサギに与えていい食べ物と与えてはいけない食べ物、その理由をまとめ!

ウサギ

ウサギは実はグルメな動物で人より多くの味を判別することができます。

しかし、その判別能力は単に好き嫌いを判別するためだけに使われており、自分が口にする物が危険かそうでないかを見分けることはできません。

つまり、ウサギの健康を守れるのは飼い主さんしかいないということになります。

そこで今回の記事では、元動物園飼育員で自宅でうさぎを飼っている動物ライターの私、みかづきが、ウサギに与えて良いものと与えてはいけないものをまとめ、その理由もあわせてご紹介します。

ウサギに与えて良いもの

野菜類
ニンジン、ブロッコリー、コマツナ、キャベツ、チンゲンサイ、ダイコン葉、サラダ菜など
果物
リンゴ、イチゴ、バナナ、パイナップル、パパイヤ、オレンジ、バナナなど
野草類
タンポポ、ハコベ、ナズナ、クローバーなど

ウサギは野生下ではイネ科植物を主食としている動物です。

食べた植物をお腹の中で上手に栄養に変える体のつくりになっているため、植物だけ食べていても栄養不足になるようなことはありません。

つまり、ペットのウサギはウサギ専用のエサのペレットと牧草だけ食べていても十分健康に育つのです。

牧草は、繊維質が豊富で毛玉症の防止にも役立ちます。マメ科の牧草アルファルファは、高たんぱく高カロリー、カルシウム分も多く含むので、成長期のウサギに適しています。

いっぽう、イネ科の牧草チモシーは消化がよいので、高齢のウサギに適しています。

野菜はおやつ程度で

とはいえ、ウサギも人間と同じで甘いものが大好きですし、しつけの一環やご褒美のコミュニケーションとしてたまにはおやつをあげたいですよね。

ペットショップでもウサギ用おやつが販売されていますが、ウサギにとって必要のない小麦粉や砂糖・着色料がたっぷり入っている製品が多いのが現状です。

砂糖や添加物も、摂りすぎなければそれほど害にはならないと言われていますが、やはり大切なウサギの健康は心配なもの。

そこで、ウサギのおやつには旬の野菜や果物をおすすめします。

飼い主さんとウサギで野菜や果物をシェアすると美味しい食べ物を一緒に食べることができて、とっても幸せな気持ちになりますよ。

ウサギに与えられる野菜をメインに買い物したり、献立を考えたりする時間も楽しいです。

また、万一なにかで体調を崩して、主食のペレットや牧草を食べなくなってしまったときのために、口当たりの良い野菜や果物に慣れておくといいという面もあります。

消化不良を起こさないために、冷蔵庫から出した野菜は常温に戻してから与え、食べ残しはすぐに片づけましょう。

いつからどのくらい与えればいい?

ただし野菜や果物は水分が多いため、与えすぎると下痢の原因になります。

与える量は大人のウサギで、ペレットや牧草の1/10程度、約5gが適当です。

同じものばかり継続して与えるのではなく、様々な野菜を与えるとよいでしょう。

長期間多量に摂取すると健康に影響がある成分を含むものもあるからです。

たとえば、チンゲンサイやコマツナなどはウサギに与えてもよい野菜ですが、カルシウムが多いので、連続して与えすぎると結石になるおそれがあります。

野菜や果物を与えはじめる時期ですが、子どものウサギには、胃腸が安定する生後3~4カ月くらいから、ごく少量から少しずつ慣らしていくとよいでしょう。

1歳になると、大人のウサギと同じくらいの量を食べられます。

しかし、あくまで主食はペレットと牧草。

あまりたくさん与えすぎて、ペレットと牧草が食べられなくなるようなことのないようしてましょう。

絶対に与えてはいけない、中毒を起こす可能性がある食べ物

次にうさぎが食べると最悪の場合中毒を起こし、死に至る可能性があるといわれている食べ物の一覧を見ていきましょう。

野菜類
ニンニク、ショウガ、たまねぎ、ニラ、ネギなど
果物
アボカド、サクランボやウメの種など
野草類
彼岸花、水仙、スズラン、パンジー、アサガオ、ニチニチソウ、ワラビなど
人間の食べ物
チョコレート、コーヒー、お茶類など

ネギ類はイヌやネコにも与えてはいけないことで有名な野菜ですが、ウサギにも与えてはいけません。

臭いが強いのでほとんどのウサギは食べないと思われますが、万一のこともありえるためウサギの行動範囲内に置かないようにしましょう。

アボカドに含まれるペルシン、チョコレートやコーヒーに含まれるカフェインはウサギにとっては毒性が強い成分であるといわれています。

雑食の人間にとっては害にはならないものでも、草食のウサギにとっては猛毒になってしまうものが沢山あります。

万一ウサギがこれらのものを食べてしまった場合は、食べてしまったものを持ってすぐに動物病院に行ってください。

中毒は起こさないが与えない方が良い食べ物

最後に、直接的に中毒を起こすことはありませんが、中長期的に考えるとウサギの体に悪い影響があるといわれている食べ物の一覧を見てみましょう。

野菜類
イモ類
人間の食べ物
パン、ごはん、人間のお菓子(アイスクリーム、ポテトチップスなど)など

ウサギがイモ類やコメなどのでんぷん質の多い食べ物を摂取すると、腸内で異常発酵が起きる可能性があります。

そして異常発酵は、ウサギの正常な消化活動を妨げてしまい、最悪の場合ショック状態に陥る可能性も否定できません。

イモ類は少量与えるのは問題ないともいわれていますが、リスクを考えるとあえておやつに選ぶ必要はありません。

人間の食べ物は炭水化物や脂質、カロリーが多いため肥満の原因になりやすく、繊維質が少ないことから下痢を引き起こすこともあります。

また、本来の食べ物であるチモシーやペレットを食べなくなって栄養が偏り、結果として他の病気を引き起こす可能性も捨てきれません。

おやつにはウサギの体に優しい果物や野菜を選んでください。

判断に迷ったときは

判断に迷ったときは、飼い主さんが安全だと把握できているものだけを与えるようにしましょう。

なぜなら、ウサギは誤って有害なものを食べてしまっても、吐き出すことができないからです。有害物質は便として排出されるまで体内にとどまった状態になってしまいます。

ウサギの健康のため、飼い主さんが自信をもって与えられる食べ物だけをあげましょう。

どうしても不安な場合は、獣医さんに確認してみてください。

まとめ

ウサギが小さな口で一生懸命物を食べる姿はとても可愛いですが、彼らは本来草を食べて生きる動物であることを忘れないでください。

可愛いウサギと1日でも長く一緒にいられるように、ウサギも人間もしっかりとした食生活を送るようにしたいですね。

公開日:2019/04/05  最終更新日:2021/08/03