予防接種を嫌がる猫を病院に連れて行く14の方法|お手本動画もご紹介
予防接種を受ける日に限って猫がソファの下から出てこない、キャットタワーから下りてこないなど、捕獲に苦労する飼い主さんも多いのではないでしょうか?
今回は、愛猫をできる限りスムーズに予防接種に連れて行くための方法をお伝えします。
自分と猫に合う方法を見つけ、一つずつ試してみてくださいね。
猫はなぜ予防接種を嫌がる?
猫はもともと警戒心が強い動物です。病院だけでなく、慣れない場所では警戒して動かなくなったり落ち着かなくなったりします。
また、抱っこが嫌いな子が多いように、猫は押さえつけられることを嫌がります。動きを封じられて痛い注射を打たれる予防接種は、猫にとって苦痛でしかないのでしょう。
他にも、キャリーバッグに慣れていない、車移動が苦手などの理由で通院に拒否反応を示す猫もいます。
愛猫が少しでもストレスなく通院できるよう、飼い主にできる対策を一つずつ試してみてくださいね。
キャリーバッグに慣れるための3つの方法
猫にできる限りストレスを感じさせずに予防接種に連れて行くには、普段からの取り組みが大切です。
第一段階として、キャリーバッグに慣れてもらうことから始めましょう。すぐにできる3つの方法をお伝えします。
特に「キャリーバッグ=病院」と記憶が結びついている猫には効果を発揮するはずですよ。
普段から見えるところに置いておく
まずは存在を見慣れるためにも、普段から猫の視界に入るところにキャリーバッグを置いておきましょう。
最初は警戒するかもしれませんが、病院に連れて行かれるわけではないとわかればいずれ気にならなくなるはずです。
まずはお部屋のインテリアとして馴染ませましょう。
自由に出入りできるようにしておく
猫は狭いところに入るのが好きな生き物です。キャリーバッグの扉を開けておくと、猫が好きなときに入るようになります。
キャリーバッグが猫の居場所の一つになれば、予防接種の日はタイミングを見計らって扉を閉めるだけで連れ出せますよ。
お気に入りのおもちゃや毛布を入れておく
キャリーバッグになかなか慣れない様子であれば、中にお気に入りのおもちゃや猫の匂いのついた毛布を入れてみてください。与えすぎに気を付ける必要はありますが、おやつを入れてみてもよいでしょう。
グッズやおやつを使うことで、「キャリーバッグ=病院」という概念が薄れるはずです。
車移動に慣れるための4つの方法
予防接種を受ける以前に、車での移動を嫌がる猫もいます。
車のエンジン音は大きく、人が思うより猫を怖がらせるものです。キャリーバッグにはすんなり入る猫でも、車に乗せるなりニャーニャー鳴き続けてしまうこともあるでしょう。
車で安全に予防接種に出かけるための方法をお伝えします。
近い動物病院を選ぶ
車に乗せると怖がって鳴いてしまう、あるいは酔ってしまう猫は、長距離移動に向いていません。
そもそも、猫は環境が変わるとストレスを感じやすい生き物です。ストレスや恐怖心を減らしてあげるためにも、できるだけ近い動物病院を選びましょう。
走らせずエンジン音に慣れさせる
猫がまだ車に慣れていないときは、予定のない日にキャリーバッグごと車に乗せ、走らせずに様子を見ましょう。
落ち着いている様子であれば、エンジンをかけてみてください。最初は怖がったり興奮したりする可能性がありますが、少しずつ慣れるはずです。
できれば予防接種の日の数日前から何度か試し、エンジン音に慣れさせてあげたいですね。
音に慣れたら短時間のドライブをする
音に慣れたら、車を少し走らせてみましょう。最初は5分程度、スピードの出しすぎや急停止に気を付けながらドライブし、様子を見てあげてください。
車酔いする様子がなく落ち着いているようであれば、少しずつ時間を延ばして揺れに慣れさせてあげましょう。
車酔いする場合は他の移動手段も考える
よだれが増える、泡を吹く、吐いてしまうなど車酔いをする猫には、車移動が大きな負担です。
徒歩でも行ける病院で予防接種を受けるか、電車での移動も検討しましょう。
難しいようであれば、車に乗せる際に以下の対策を試してみてください。
・移動の5~6時間前ほど前に食事を済ませる
・乗せる前に換気をして車中の臭いを消す
・車の窓を開けて風を取り込む
・こまめに休憩を挟む
・なるべくカーブが少ない道を選ぶ
・動物病院で酔い止めを処方してもらう
病院を怖がる猫への5つの対処法
キャリーバッグにも車移動にも慣れたら、次は「病院は怖いところではない」と覚えてもらう番です。
残念ながら注射の痛みをなくす方法がないため、せめて病院内で落ち着いて過ごせるよう対処してあげましょう。
定期的に通い慣れさせる
完全室内飼育の猫は、1~3年に1度のワクチン接種が推奨されています。ですが、3年に1度の通院では病院に慣れません。
定期的に健康診断を受けるだけでなく、爪切りや耳掃除のために通院して慣れさせるのも一つの方法です。
また、猫専用の待合室や診察時間を用意している動物病院もあります。他の動物を怖がる心配がなく、早く慣れてくれるかもしれませんよ。
病院内でおやつを与える
院内でおやつをあげることを許可している動物病院も多いため、必ず猫用のおやつを持参しましょう。猫の病院に対するイメージがよくなります。
ただし、車酔いする猫の場合は、帰宅後におやつをあげるようにしてくださいね。「頑張ったね」と褒めてあげることで、「病院を頑張ると良いことがある」と思ってもらえます。
キャリーバッグを布で覆い視界を遮る
待合室では、通気性のよい布でキャリーバッグを覆うことも効果的です。慣れない環境や他の動物の気配が気にならなくなり、猫の気持ちが落ち着きます。
飼い主がそばにいることを伝えるために、小声で名前を呼ぶなど優しく声かけをしてあげてくださいね。
また、診察室に入り指示があるまでは、キャリーバッグから猫を出さないようにしましょう。できるだけ落ち着ける空間で過ごさせることが大切です。
大きな声を出さない
待合室でも診察室でも、飼い主が大きな声を出すのはNGです。
逃げたり暴れたりすると大声で名前を呼んだり「ダメ!」と叫びたくなったりするかもしれませんが、逆効果でしかありません。
猫は不安感から粗相をすることもありますが、その場合も叱らないようにしましょう。
病院内では、愛猫を落ち着かせることを第一に考えて行動することが大切です。
飼い主がリラックスすることが大切
猫は敏感な生き物のため、飼い主の不安や焦りを感じ取ります。
「暴れたらどうしよう」「病院に迷惑をかけてはいけない」と考えれば考えるほど、猫も不安になります。
粗相するかもしれないなどの心配事があれば、あらかじめ動物病院に伝えておくと気が楽になりますよ。
猫の様子を気にかける必要はありますが、神経質になりすぎないようにしましょう。
暴れる猫のための便利グッズ2選
興奮してパニックになるタイプの猫の場合、キャリーバッグに入れるときや診察時に暴れる可能性があります。
必要以上に押さえつけなくて済むように、また、噛まれたり引っかかれたりしてケガをしなくて済むように、便利グッズを活用しましょう。
エリザベスカラー
一つ目のおすすめグッズは、エリザベスカラーです。術後に傷を舐めないようにするためのアイテムですが、装着している間は人を噛みにくくなるため役立ちます。
エリザベスカラーを付けることで周りが見えにくくなり、注射への恐怖心がやわらぐ効果もありますよ。
ただし、エリザベスカラーを嫌がる猫の場合は、無理強いさせないようにしてくださいね。過度なストレスを与えることで、病院嫌いを悪化させてしまいます。
洗濯ネット
猫は狭いところに入るとリラックスする生き物です。タオルや毛布で包んであげるのもよいですが、洗濯ネットならそのまま診察や予防接種を受けられるため便利です。
洗濯ネットに入れると動かなくなる子が多く、暴れるタイプの猫に効果的です。そもそも自力では出られないため、脱走防止にも役立ちます。
猫よりも大きめのサイズで、チャックの部分が広く開くタイプのネットを選びましょう。
お手本に!予防接種までの奮闘動画をご紹介
他の飼い主さんがどのように猫を予防接種に連れて行っているのか、気になりますよね。
飼い主さんが奮闘している様子や実践した工夫がわかる動画を2つご紹介します。
洗濯ネットを使って励ましながら捕獲
飼い主さんが3匹の猫たちにひたすら謝り「わかるわかる」と共感しながら捕獲していて、申し訳なく思っていることがひしひしと伝わる動画です。
捕獲に使った洗濯ネットは、途中で破れてしまったとのことです。多めに用意しておいたほうがよさそうですね。
予防接種を悟った猫に使った奥の手とは?
飼い主さんがキャリーバッグを持ってきたことで予防接種に行くと感づいたのか、病院嫌いの猫はソファの下や階段の上に逃げてしまいます。
表情からも「病院に行きたくない」という強い意志が伝わりますよね。
ですが、なんと飼い主さんの「あとでちゅーるあげるからおいで!」の言葉でキャリーバッグに入ってくれるのです。まさに「奥の手」ですね。
まとめ
予防接種は、猫の健康を守るためのものです。猫を怖がらせたりストレスを与えたりするのは、飼い主の本意ではないですよね。
愛猫が落ち着いて予防接種を受けられるように、さまざまな方法を試してみましょう。洗濯ネットの他、お気に入りの毛布やおもちゃ、おやつも活用してくださいね。