犬の無駄吠えの原因は?無理なくできるしつけの方法やおすすめアイテムも!
しつけが必要な犬の問題行動はいくつかありますが、その中でも周囲への迷惑をかける可能性が高いのが無駄吠えです。
ところ構わず吠えてしまうと近所迷惑になるだけではなく、飼い主さんの健康的な生活も守れなくなるでしょう。
今回は、犬の無駄吠えの原因や対処法をご紹介します。
無駄吠えからわかる犬の心理を理解しながら、人も犬も穏やかに過ごせるように工夫をしましょう。
犬の無駄吠えとは?
犬の無駄吠えは問題行動であるため、飼い主がしつける必要があります。
しかし、闇雲にしつけることは愛犬のストレスやコミュニケーション能力の低下につながる可能性があるでしょう。
なぜなら、犬にとっては「無駄吠えは無駄ではない」からです。
言葉を持たない犬たちにとって、吠え声は重要なコミュニケーションツールです。喜怒哀楽の表現にはもちろん、警戒心や体調不良などのさまざまな身体的・精神的な状態を伝えるために使われます。
無駄吠えと思っているのは人間だけで、犬にとってはしっかりと意味のあるものです。
無駄吠えがうるさいからとただ怒って言い聞かせるのではなく、なぜ愛犬が吠えるのかを飼い主さんが観察・分析し、適切な対応を取ることが重要です。
犬の無駄吠えを放置するリスク
ご近所トラブルの原因に
犬の無駄吠えを放置することで声が外に漏れ続け、ご近所トラブルの原因になることがあります。
特に集合住宅に住んでいる飼い主さんは不安が高まり、「クレームが来てしまうのではないか」と必要以上に神経質になってしまうでしょう。
飼い主の健康が損なわれる
可愛い愛犬の声とはいえ、大きな声で吠えられ続けるとストレスがたまるものです。
安らげるはずの我が家が騒音の発生地となってしまうのは悲しいことですよね。
また、夜泣きがひどい場合、飼い主は睡眠不足にもなり、健康的な生活が妨げられるでしょう。
散歩で周囲を怖がらせてしまう
散歩中に他の犬や通行人に吠えてしまう場合、無駄吠えは周囲を怖がらせる原因になります。
無駄吠えが原因で、犬自体を怖いと思ってしまう人もいるでしょう。
道行くすべての人が犬好きではないため、周囲に配慮するためにもしつけが必要です。
愛犬の体調や心理の変化に気づけない
無駄吠えをしている犬は、痛みや体調不良を飼い主さんに伝えようとしている可能性があります。
愛犬の様子に気づけず放置することで、症状が悪化してしまうかもしれません。
犬が無駄吠えをする原因は?
飼い主さんに要求をしている
犬の無駄吠えの理由はさまざまですが、多くは飼い主さんへの要求です。
犬は声を使ってコミュニケーションを取るため、人間の言葉の代わりに吠えて気持ちを伝えようとします。
寂しい・構ってほしい
寂しさや孤独を感じているときには、無駄吠えが増える傾向にあります。
特に無駄吠えに反応してしまったことがある場合は、吠えると飼い主さんが注目してくれると認識しているかもしれません。
大きな声で叱っても正しく伝わらず、「飼い主さんも喜んでくれている」と勘違いさせてしまっている可能性もあるでしょう。
痛みを感じている
無駄吠えの原因は、体のどこかに感じている痛みかもしれません。
犬は言葉で「ここが痛い」「病院に連れて行ってほしい」「夜になると痛くなる……」などと伝えることはできないため、結果的に無駄吠えとして捉えられてしまう可能性があります。
特にある時期から突然無駄吠えが増えたという場合は、怪我や体調不良を疑うべきでしょう。
警戒・威嚇している
犬は人間よりも五感の能力が優れているため、人間が気づかない変化でも敏感に感じ取り警戒している可能性があります。
窓や電化製品に吠えている場合、飼い主さんを危険から守ろうとしてくれているのかもしれません。
散歩中に他の人や犬に吠える場合も同様です。
また、臆病な性格の犬も威嚇のために吠えやすい傾向にあります。
興奮している
人間でも興奮すると口数が増えたり大きな声を出したりする人がいるように、興奮状態の犬も無駄吠えが増える傾向にあります。
特に洞察力が高い犬は、少しでも飼い主さんや遊びの気配を感じたら吠えてしまい、気持ちのコントロールができなくなるでしょう。
無駄吠えをしやすい犬の特徴
吠えることが仕事の猟犬・牧羊犬ルーツ
猟犬や牧羊犬の仕事の1つは、「吠えて獲物を人間に知らせること」です。
そのため、猟犬をルーツに持つ犬種は、ペットとして愛される現在も吠えやすい傾向にあります。
人気の犬種の中では、ダックスフンド・ビーグル・イタリアングレーハウンド・ウェルシュコーギーペンブローク・ボーダーコリーなどが挙げられます。
怖がりな小型犬
怖がりな個体が多い犬種もあります。
小さな物音でも驚いて吠えてしまったり、警戒心が強かったりする子もいるでしょう。
チワワ・パピヨン・ミニチュアピンシャー・イタリアングレーハウンドなどが挙げられます。
頑固で気性が荒めのテリア種
多くの犬種の中でも、テリア種は頑固で気性が荒い傾向にあります。
警戒心や自己主張が強く、吠えやすい犬種が多いと覚えておきましょう。
ジャックラッセルテリア・ボストンテリア・ヨークシャーテリア・ノーフォークテリアなどが代表的です。
最終的には個体の個性や飼育環境で変わる
平均して吠えやすいといわれる犬種がありますが、実際には本人の性格や飼育環境によることが多いです。
「この犬種だから吠える・吠えない」ということはないため、あくまで傾向の1つとして覚えておきましょう。
犬の無駄吠えのしつけをしよう
まずは無駄吠えの原因の確認とケアから
犬の無駄吠えのしつけは、吠える原因を探ることから始まります。
どのようなシチュエーションで吠えてしまうのか、怪我や痛みはないか確認しましょう。
心理的な不安からも無駄吠えは発生しやすくなるため、コミュニケーション不足の場合は愛犬と一緒にいる時間を増やしてからでも遅くはありません。
基本は無視から始める
無駄吠えのしつけの基本は「無視」です。
吠えられたときに反応をすると、「吠えたら構ってもらえる」と認識させてしまいます。
無視を続けることで「吠えても来てくれないし、意味がない」と思ってもらうことが大切です。
「吠えたら損をする」と覚えてもらう
遊んでいる途中に無駄吠えをしたら遊びを中断し、「吠えたら損をする」と思わせましょう。
散歩中も同様に、吠えたらその場で立ちどまって動かないようにします。
吠えることで楽しい時間がストップしてしまうと覚えてもらえると、少しずつ吠え癖が緩和されていきます。
1回2回では伝わらないため、根気強く続けてくださいね。
家族で同じ号令を共有する
無駄吠えのしつけがスムーズにいかない場合、家族の中で号令が違っている可能性があります。
例えば、家族によって「シッ!」「静かに」「うるさい」「ノー!」など言葉が違う場合、犬はどうすればよいかわかりません。
家族の中で改めて号令を統一し、「無駄吠えのしつけのときにはこの言葉を言う」と決めましょう。
無駄吠え以外のしつけも並行して行う
無駄吠えは、他のしつけが完了していないために起こる場合があります。
例えばケージやサークルに入れようとすると吠える場合、「ハウス」のしつけがまだ甘いことが考えられます。
無駄吠えをしつけるときは他の基本となるしつけも並行して行うことで、より早く結果を実感できるでしょう。
フラストレーションを発散させる
ストレスがたまっていると、無駄吠えが増えてしまいます。
十分な運動量を確保し、日々の中で愛犬のフラストレーションを発散させましょう。
知的好奇心を満たすためにも、ときどき普段とは違う散歩コースに行くのもおすすめです。
我慢できたらご褒美をあげよう
無駄吠えのしつけの中で、上手に我慢ができたときは必ずご褒美をあげましょう。
おやつやごはんは、犬にとって分かりやすい報酬です。
散歩中もフードケースに入れて持ち歩き、いつでも出せるように準備をしてくださいね。
犬の無駄吠え対処法6選
しつけ用超音波グッズ
据え置きタイプや首輪タイプの超音波グッズを使い、無駄吠えのしつけをサポートします。
無駄吠えをした瞬間にスイッチを入れると、犬にしか聞こえない超音波が発生して不快感を抱かせる仕組みです。
「無駄吠えをしたら嫌な音がする」と覚えさせることでしつけが捗ります。
しつけ用口輪
食事や飲水に支障がないタイプの口輪を装着させることで、無駄吠えをしつけます。
普段から使うのは可哀相なため、無駄吠えをしたときにだけ装着させる方法がおすすめです。
無駄吠え対策にはもちろん、拾い食い対策にも使えるアイテムです。
しつけ用アロマスプレー
基本的には犬にアロマオイルは禁忌とされていますが、しつけ用に調合されたスプレーであれば使用可能です。
心をリラックスさせるアロマが配合されているため、ストレスや不安から生じる無駄吠えを防止します。
犬用サプリメント
アロマスプレーと同じく、精神的にリラックスさせる成分が配合されたサプリメントです。
犬の口に合わない場合は、粉状にして普段の食事やジェル状おやつに混ぜて与えましょう。
薄めたお酢をかける
お酢を水で5~10倍に薄めてスプレーすると、犬が嫌がるしつけ用アイテムになります。
無駄吠えをしたときに空間に噴射することで不快感を抱かせ、しつけをサポートします。
また、コードや家具など噛まれたくないものにスプレーしておくことで無駄噛み防止にも使えます。
しつけ教室
家庭でのしつけに限界を感じたら、しつけ教室に通わせるのも1つの手段です。
基本的には何回かに分けながら通い、プロのトレーナーによる指導を受けます。
段階を踏みながらの指導になるため費用と期間はかかりますが、しつけの時間を取る余裕がない人にもおすすめです。
まとめ
今回は、犬の無駄吠えの理由や対処法をご紹介しました。
一見すると迷惑行動に見える無駄吠えにも、必ず理由があるものです。
無闇に叱るのではなく、原因を考え、人も犬も心健やかに過ごせる環境を目指しましょう。